ものぐさお月見歌会2006
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素敵なお月様の絵はるつさん作です | |||||
月明かり仄かに射し入る老ひ姑(はは)の部屋に寄り来て寝息確かむ | 9 票 | |
「名月よ」と風呂を焚きつつ呼びくれし優しき夫も幻となる | 7 票 | |
おほかたの人眠りたる病室の窓の外には月の出ており | 6 票 | |
見納めとなるやもしれずこの月を独りしみじみ万感の酒 | 5 票 | |
十五夜にぴよんと跳ぶかも吾子の剥く耳の揃はぬリンゴのうさぎ | 5 票 | |
老い先のことには触れず夫と来て湖(みずうみ)に没(い)る月を見ている | 4 票 | |
予期もせぬ死を見送りて秋冷の月のかけらを踏み毀し帰る | 4 票 | |
十代の心はライチの殻に似て輝く月を無骨に守る | 4 票 | |
アンデスの月燦然と輝けり地球(ここ)に生くるを吾に問ふごと | 4 票 | |
寝床より月が見えるは最高と退院の夜の母の目潤む | 3 票 | |
病室に毎夜願ひしその月の満つる待たず母みまかりし | 3 票 | |
マンションの連なる窓の夜の灯しかすかになりぬ十五夜の月 | 3 票 | |
大杯に月を浮かばせ酌む酒にちちろ(蟋蟀)も酔ひてしきりに唄ふ | 3 票 | |
満ち足りる心であれと望月はうき世の闇に光を伸べる | 3 票 | |
満月の光りに濡れて汀線を歩みつつ妻と来し方を語る | 3 票 | |
満月に向かって左肩越しに投げキッスする願いよかなえ | 3 票 | |
月見ては君に寄り添いいだかれて軽いめまいにゆらめく心 | 3 票 | |
あの月はこの世に一つ吾もまた一つの命尽くして生きる | 3 票 | |
友からの長きメールを読み終えて見上げる月の面なぜに寂しき | 3 票 | |
昇りくる月は大きなまりとなりハンドル切る度ビルを飛び跳ぬ | 3 票 | |
星影のまばたく空に寝待月君の肩抱き佇むしばし | 3 票 | |
こころおさなくなりて歩めり半月の中にうさぎの影追いながら | 2 票 | |
窺(うかが)いて居し月なるか灯消せば部屋に明るき光り伸ばせる | 2 票 | |
真夜更けて滲める雲より上りくる月見の友は写真の夫と | 2 票 | |
各々の窓より眺めるweb友と同時多発のお月見会せむ | 2 票 | |
おつきさま ぼくとおんなじおかおして きょうもにこにこそらからみてる | 2 票 | |
月なれば今宵出で来よ満ち満ちてふくよかなる汝(な)を待ちて酒酌む | 2 票 | |
「父さんの肩に乗せて」とねだった日月がとっても大きく見えた | 2 票 | |
何時よりかうさぎが居ない月となり十五夜祝う家族も減りぬ | 2 票 | |
まろやかな月は心の蟠り、怒り、虚しささえも沈める | 2 票 | |
<♪盆のよう>と歌はれしこと幾年月今宵の空に黄金(こがね)のそれが | 2 票 | |
ぽっかりとうかぶ満月ほっこりと笑みを広げた君に重なる | 2 票 | |
太陽が父なら月は母の胸その優しさに包まれ眠る | 2 票 | |
イスラムの夜は目覚めて噴水に解き放たるる月の処女(をとめ)ら | 2 票 | |
月映し川面黄金に耀けり黄泉への道のかくあらまほし | 2 票 | |
闇ふかき胸に射し入る声ありて月影のごと歩みを照らす | 1 票 | |
幼き日「うさぎは何処(どこ)に?」と仰ぎ見た満月に願う「私も月へ・・!」 | 1 票 | |
長月を過ぎし神無に中秋の名月ありとは歌詠みて知る | 1 票 | |
その動き思いのほかに早くして撮りし満月真円にあらず | 1 票 | |
月光(つきかげ)はやさしくつつむ笑む花もほほ打つ風にうつむく花も | 1 票 | |
世の中はこんなにまあ-るい筈もなくなんじゃもんじゃを照らす満月 | 1 票 | |
月のしづく小(ち)さく耀ふ雨後の宵草むらおほふ満月の花 | 1 票 | |
キー預け振舞ひ酒を十五夜に徒歩心地よき青白き道 | 1 票 | |
今日の日を肩から外し仰ぐ空優しく翳す上弦の月 | 1 票 | |
少女らの長きお耳のビロードの ソソラソラソラうさぎのダンス♪ | 1 票 | |
過ぎし日に肩を寄せ合い見た月を今宵の肴に語らいつつ飲む | 1 票 | |
十五夜の月は小寒き雨の奥めげてなるかと歌会の酒 | 1 票 | |
月光(つきかげ)の雫のような木犀がほのかな香りを夜道に注ぐ | 1 票 | |
人知れず心の尖る時のあり 満月だって三日月となる | 1 票 | |
閉鎖されし測候所跡の遠景の初冠雪を月が観ている | 1 票 | |
ビルの端(は)よりいでし満月また直ぐに隣のビルに隠れてしまふ | 1 票 | |
青白き月に雲のかかりけり欠けたる名月なほぞ愛ほし | 1 票 | |
雨あがり月は雲間に見え隠れすすき活けつつ束の間の幸 | 1 票 | |
月の夜ひとり静かに針仕事話し相手はかぐや姫だけ | 1 票 | |
燃え盛る炎はいつか消ゆるもの今年の名月(つき)は雲の波間に | 1 票 | |
子の頃のやうに芒とお団子を出窓に飾り月待ちをりぬ | 1 票 | |
黒々と箱根の山を描き出し十六夜の月清かにのぼる | 1 票 | |
満月を見れば柏手(かしわで)パンパンと無病息災ひたすら祈り | 1 票 | |
表面(おもてづら)ばかりで肩肘張っている 裏を見せない月というあなたは | 1 票 | |
木犀の香に酔い知れて仰ぐ月大きな丸でうなずいている | 1 票 | |
月の軌道今より近き平安の時代に生りて望月愛でたし | 1 票 | |
十五夜に柿の木登り盗み食うその日限りは許されるとか | 0 票 | |
その昔とって欲しいと泣いたっけ満月の魅力今も変わらず | 0 票 | |
中秋に子が円(まる)のなか目鼻描き棚曇りでも満月が笑む | 0 票 | |
うるはしき満月ひとつ何処より導かるるや吾が夢のなか | 0 票 | |
幼き日夢育みし月うさぎ孫らにわれも語り聞かせん | 0 票 | |
朝もやのハーブ畑でくちづける君の吐息は今日も甘やか | 0 票 | |
雲流れ満ちたる月の浮かびたる静かに草生ふ虫の声すだく | 0 票 | |
真ん丸の月で兎が餅を搗く斯かる絵本で昭和に育つ | 0 票 | |
待ちかねて団子食べいる孫の顔さやかな月の光に浮かぶ | 0 票 | |
晴れやかな顔にススキとお団子を飾るロバート初めてのお月見 | 0 票 | |
満月に少し欠けたる月を見た浅き眠りと目覚めの際に | 0 票 | |
満月のオ〜ラが下界に降りて来て悪い人など居なくなってる | 0 票 | |
日と月に眠りのリズム護られて生きたる我の不思議なること | 0 票 | |
毬栗(いがぐり)と薄二本にお団子を添へ雨音に耳澄ます宵 | 0 票 | |
「本日はお月見閉店雨事情」夕食かざるおでん卵に月見そば | 0 票 | |
幼き日杵もつ兎は月の中お餅ころころお星になったの? | 0 票 | |
幼い日母に抱かれて見た月はいつもまん丸うさぎも居った | 0 票 | |
ゆっくりと秋はくるよねこの空に月があることを突きつけながら | 0 票 | |
月待ちて待ちいても雨降りやまずいたずらに萩庭に散りゆく | 0 票 | |
土を打つ雨の囃子に導かれ十六夜いざや花道ゆかん | 0 票 | |
こぼれ萩照らしておらむ 満月は寺の上にもビルの上にも | 0 票 | |
闇深く薄の陰にちちろ鳴く夜空の裏に月は隠れり | 0 票 | |
束の間にいでし月光(つきかげ)青白く薄の陰で虫細りけり | 0 票 | |
身を削るほどに逢瀬を待ちゐしや長雨晴れし十六夜の月 | 0 票 | |
観覧車に乗りパリの夜景を見た。エッフェル塔の横にも満月 | 0 票 | |
霧雨の止み間に出でし満月を心の窓開け静かに眺む | 0 票 | |
仲秋の一夜は雨で顔見せずそして十六夜月影凛と | 0 票 | |
黒々と箱根山を描き出し十六夜の月清かにのぼる | 0 票 | |
かぐや姫月に帰れぬ腹いせにブランド品を貢がせる現代(いま) | 0 票 | |
懐かしい音楽室に招かれて<エリーゼのために>弾いてみる秋 | 0 票 | |
秋の風君への愛に燃えている心静めてちょうどの温度 | 0 票 | |
満月に誓ってならぬとジュリエットわたしのこの恋あなたに誓おう | 0 票 | |
名月や鏡となりて見つづけしか吾が心なる抗いもまた | 0 票 | |
蟋蟀に木魚の音(ね)が混じりをり臥待月は夜を沈めて | 0 票 | |
長雨で歩かぬ我が身丸々と日に日に細る月を羨む | 0 票 | |
今はもう鏡のやうにしづかなる空 月を浮かべり清かな月を | 0 票 |
以下お歌の感想等です
いなか/(淋しい歌ですが)風呂・焚く・優しき夫に暖かさを感じました。
[2006/10/15 10:20:02]
夢子/大盃に月を浮かばせ酌む酒〜大きな歌い方で、いいな〜つい私もお酒を飲みたくなりました
十五夜にぴょんと跳ぶかも〜本当に跳びだしてくるような躍動感に満ちたそして可愛いうさぎを連想できます 昇りくる月は大きなまりとなり〜弾力が伝わってきます
窺いて居し月なるか灯消せば部屋に明るき光伸ばせる〜部屋に明るき光伸ばせるはその中でも特に素敵な表現だと思います(^^♪
世の中はこんなにまあ〜るい筈もなく・・・<<なんじゃもんじゃを照らす満月>>上手い表現だとおもいました! [2006/10/15
08:50:40]
文/「閉鎖されし測候所跡の遠景の初冠雪を月が観ている」 富士山測候所でしょうか、情景が冴え冴えと立ち上がってきます。類型に陥らず、写生が光っています。 「測候所跡の」の「の」が少し再考の余地があるかも・・・。「観ている」は「見ている」で良いのでは? 素敵な叙景歌だと思います。
[2006/10/12 11:45:20]
春雨/1、月を仰ぎ岳父の許しを願いたるかの日もありて銀婚式過ぐ
2、月を見つ来年君を娶ること母に告げし日の高ぶり想う 3、予期しえぬことの多けりを二人にて乗越え越しを月も見てゐしやと
結婚問題や、諸々のことを二人で過ぎてきた思いを詠んで見ました。 [2006/10/12
02:33:26]
優子/月に対しての思いには万人に共通するものがあるように感じます。
ちょっとその共通認識から外れてるようなものを選びたくなりました。 一番好きな歌は 少女らの長きお耳のビロードの ソソラソラソラうさぎのダンス♪
[2006/10/11
08:40:23]
アン/ぴょんと飛び出しそうなうさぎにお母さんの愛情がこもっています。耳のそろわぬところがまた可愛いです。
[2006/10/10 23:04:01]
九里多朗/<満月の光りに濡れて汀線を歩みつつ妻と来し方を語る>
「汀線歩みつつ来し方語る」年輪を感じる落付いた夫婦愛が出ていて良いです <月見ては君に寄り添いいだかれて軽いめまいにゆらめく心>
若いって良いですね羨ましいです。 <表面ばかりで肩肘張っている 裏を見せない月というあなたは>
巧いです旦那さんを重ねた比喩とも風刺とも取れる・・・。 <人知れず心の尖る時のあり 満月だって三日月となる> 誰でもが頷ける作品です。
<まろやかな月は心の蟠り、怒り、虚しささえも沈める> まろやかな月を見ていると総てを忘れさせて心が癒されます。 [2006/10/10
12:03:33]
月見草/「web友と同時多発のお月見会」 V(^O+)/ """ ☆ ☆ [2006/10/10
05:44:30]